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 3.不動産投資分析の基礎知識❸

 今回はNOI(純営業利益)とキャップレイト(総合還元利回り)2つの内容を説明いたします。

(1) NOI(純営業利益)

 NOIは、空室や貸し倒れの損失を考慮した実質的な賃料等の収入から、管理費、固定資産税・都市計画税、損害保険料、水道光熱費など、各種の不動産運営に伴う費用を差し引いた利益を差します。ここで注意してもらいたいのは、NOIは原価償却費と借入金利を差し引く前の利益であることをいいます。

 NOIの単年度基準の投資利回りは、次の式になります。

 

NOI÷不動産価格=投資利回り

        

NOI÷投資利回り=投資価格 となります。

このように、逆にNOIから不動産価格を算出する際に使われる投資利回りのことをキャップレイ-ト(総合還元利回り)と呼びます。

 

キャップレイ-ト(総合還元利回り)=NOI÷不動産価格

 

ただし、本来キャップレイトはその不動産固有の事情(築年数や構造、設備、立地など)などを考慮してきまるものです。そのため、キャップレイ-トは物件価格とNOIから結果的に導きだされるというよりも、『不動産物件の立地状況、近隣物件の収益状況などから』考えるべきです。その方がより実態に合っています。

 

具体的には

キャップレイ-ト=リスクフリ-レ-ト(a)+不動産市場に潜在する不確実性(b)

+対象不動産の個別リスクプレミアム(c)

 

(a)国債投資のリタ-ンで、おおむね2%程度です。

(b)現在の市況では3%程度が一般的です。

(c)その不動産の特性(地域性・立地、築年数・構造、テナントの種類や土地の権利の種類)

から推定します。

実際的には、東京都心部にある一定グレ-ド以上のビルのキャップレ-トは5%と見て、その他の物件には個別リスクプレミアムを上乗せするという考え方が主流です。

 

次回はそのキャップレイトとバリュアップの関係についてお話したいと思います。

投稿日時: 2021-10-23 (823 ヒット)

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